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映画で、世相を斬ります

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ほかで書き切れないことをここで。

2006年 11月 16日 ( 1 )

★★★★ 玉鉄にめんじて4つ

ポッカリあいた時間、レディースデー。
『木更津キャッツ ワールドシリーズ』も『父親たちの星条旗』もあったけど、時間が合わず、これしかなかった。

最初は、どちらかというと「しかたないなぁ」という感じだった。
でも玉鉄だし、沢尻エリカだし。(山田孝之はちょいと苦手、でも玉鉄とは兄弟という設定にはナットク。似てた…)
原作を読んではいたんだが、なんとなく、ラストに違和感というか、
納得のいかない感じを持っていて。
だから、かなり冷めた感じで見ていた。
周りのおばさまたちは、テラタケの漫才に笑ってはいたけれどね。
私は別に笑えなかった。
なんか不自然なんだもん。

小説ではミュージシャンになりたかったけど、兄のことがバレて挫折。
兄のことがあって、いろんなことを我慢して、我慢させられてきて
たまにはカラオケで歌を歌いたいと思うかもしれない。でも
人から注目を集めたり、歓声を受けたりするのって、抑圧されてきた心理状態でありえるのかなって。それが映画ではお笑い芸人? 人を笑わせることが自分にとってのカタルシスになる? 別人のように振る舞って現実の自分を忘れられる瞬間になる?
なんかありえない、共感できないっていうのが、
ずっとひっかかってて。

そう、でも、杉浦直樹さんが出てきたあたりから、
んんん!涙腺が…。
小説だと納得できなかった台詞なのに、けして平坦ではない人生を歩んできたことを物語る風貌と、厳しいがやさしく諭すような真摯な口調の会長さんに、白旗あげてしまった。

追い討ちで、漫才シーン。小田和正のあの歌…。
お笑いで、結果的には良かったのか。
効果的な、映画らしい演出だった。

玉鉄、やったな。
この映画でひと皮もふた皮もむけた感じ。
ガオシルバーもハリケンレッドに続いて、今後、映画界で大活躍?

沢尻エリカも凛とした強さが出てて(関西弁がどうであれ…)よかった。


そこで、
なぜ泣けたんだろう、と考えてみた。
心を動かされたのは、人と人との絆、つながりの強さを改めて思い知らされたからかもしれない。

小説では、ジョン・レノンの「イマジン」がキーワードになっている。
「差別なんてない世界を想像してごらん」と。
しかし、現実に、差別のない世界なんてない。戦争がなかった時代もない。
映画『トンマッコルへようこそ』は、幻のユートピアなのかもしれない。

でも、そこで生きていかなくてはいけないんだ。
それはそうだと思う。たとえば、自殺は逃げでしかないとも思う。

ただ、自分に守るべきものがあるのなら、切り離したくない絆があるなら、兄弟の、家族の縁を切るしかない、それも罪に対する償いの1つなのだ。
(兄との縁を切ることも、もしかしたら逃げかもしれないが。。)


自殺を考えたり、自暴自棄になるときって、たいてい
この世に自分をわかってくれるのは誰もいない、
とか、どうしようもない孤独感をかかえてしまう。

それこそ、想像力を働かせてみてほしい。
人は、1人では生きてはいけない、のだから。


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by yopeiR | 2006-11-16 08:43 | 映画