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映画で、世相を斬ります

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ほかで書き切れないことをここで。

『父親たちの星条旗(字幕版)』★★★★

硫黄島は大平洋戦争中、もっとも悲劇的な戦いが行われた場所のひとつ、といわれる。
アメリカ側から硫黄島を捉えたこの作品が10月から公開されていたが、「ぜひ、見たい。でも…」という危惧のようなものがあった。

実は、今は亡き私の祖父は、硫黄島ではないが、
太平洋戦争中にトラック諸島というところで九死に一生を得ている
(現在はチョーク諸島)。

物心ついたときに、祖父の体に残る傷を見て「これはなぁに?」と
質問したことがある。
たぶん5歳か、もっと幼かったかもしれないが、
私はショックを受けた。
爆弾のかけらが残っているのに、じいちゃんは生きているなんて! と思っていた。
歳を経るごとにそのことをより真摯に受けて止めていくようになるのだが、身近にそうした生き証人がいたことで
やはり大平洋戦争を語った映画は、なかなか平静では見られない。

『硫黄島からの手紙』と見比べてから、詳しく書きたいと思うが、
私にとってこの映画は、多くを語らなかった“ドク”・ブラッドリーの代わりに、息子が父親の体験を世に知らしめたということの大切さも身にしみた。
私の祖父も、やはり、多くを語らなかった。

「硫黄島の体験談」も読ませていただいた。お孫さんがアップしたという。ほかにも、多くの体験記がHP上にもアップされている。

けっして硫黄島だけではない、ということ。
今もなお世界中で続いている、ということ。
私も記して残さなければいけない、と思った。

クリント・イーストウッドもすばらしいと思う。
横田めぐみさんのドキュメンタリーといい、
日本人で、こうした題材を取り上げようという人物はいないのだろうか。(「大和」や「回天」はあったけれど…)
それが残念でならない。

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# by yopeiR | 2006-12-01 17:32 | 映画
★★★★ 好き嫌いが見事に分かれるタイプの映画だと思う。
「もっとハッピーなラストに」といっている友人もいたが、もともと人類の運命は、決してハッピーではないと思う。アルフォンソ・キュアロン、さすが! すごいね! やはりハリポタでは、本来の味を十分には発揮できないのかもしれないね。再志願しているらしいが。
だが、この邦題はキライだ。
「人類の子どもたち」でいいんじゃないの?
配給の方は、もう明日にもせまっている未来と思ってつけたのかもしれないが、イマイチ。訳のわからないカタカナで、客足を遠のかせてしまっている部分はあるんじゃないかな。私は目にしたことはないが、TVCMなんかもあまりよくないらしい。もう少し、うまく宣伝できなかったのかな。&対向(?)の『プラダを着た悪魔』は宣伝費もかかっているし。

見たのはちょっと先になるので記憶としてはおぼろげなところもある。

やっぱり圧巻はラストの長回しか。
涙が自然とこぼれた。
そして祈った。「絶対に、このコに当たらないで!」

1つの命。
銃を持っている兵士達も、FISHのメンバーも、テロリストも、
そうやって祈るように生まれてきた、たった1つの命のはずなのに、
銃を向け合わざるをえないのは、ほんとうに悲しい。

自殺薬が高齢者(あの老夫婦>マイケル・ケイン)に配付されているのも悲しかった。だが、仕方のないことなのか…。そんな…。


だから、自殺を考えるのは、本当に止めてほしい。

言い古された、阿呆な、説教と思うかもしれないが
アフリカの子どもたちをみてごらんなさいよ。
彼らについて知る、TV、映画、本、なんでもいいから見たり、読んだりしてみてほしい。
『ダーウィンの悪夢』(後日UP)は、まさに、悪夢でした…。
若者たち、こういう映画を見たほうがいいと思う、デ○ノートぢゃなくて。


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# by yopeiR | 2006-11-25 08:55 | 映画
★★★★ 玉鉄にめんじて4つ

ポッカリあいた時間、レディースデー。
『木更津キャッツ ワールドシリーズ』も『父親たちの星条旗』もあったけど、時間が合わず、これしかなかった。

最初は、どちらかというと「しかたないなぁ」という感じだった。
でも玉鉄だし、沢尻エリカだし。(山田孝之はちょいと苦手、でも玉鉄とは兄弟という設定にはナットク。似てた…)
原作を読んではいたんだが、なんとなく、ラストに違和感というか、
納得のいかない感じを持っていて。
だから、かなり冷めた感じで見ていた。
周りのおばさまたちは、テラタケの漫才に笑ってはいたけれどね。
私は別に笑えなかった。
なんか不自然なんだもん。

小説ではミュージシャンになりたかったけど、兄のことがバレて挫折。
兄のことがあって、いろんなことを我慢して、我慢させられてきて
たまにはカラオケで歌を歌いたいと思うかもしれない。でも
人から注目を集めたり、歓声を受けたりするのって、抑圧されてきた心理状態でありえるのかなって。それが映画ではお笑い芸人? 人を笑わせることが自分にとってのカタルシスになる? 別人のように振る舞って現実の自分を忘れられる瞬間になる?
なんかありえない、共感できないっていうのが、
ずっとひっかかってて。

そう、でも、杉浦直樹さんが出てきたあたりから、
んんん!涙腺が…。
小説だと納得できなかった台詞なのに、けして平坦ではない人生を歩んできたことを物語る風貌と、厳しいがやさしく諭すような真摯な口調の会長さんに、白旗あげてしまった。

追い討ちで、漫才シーン。小田和正のあの歌…。
お笑いで、結果的には良かったのか。
効果的な、映画らしい演出だった。

玉鉄、やったな。
この映画でひと皮もふた皮もむけた感じ。
ガオシルバーもハリケンレッドに続いて、今後、映画界で大活躍?

沢尻エリカも凛とした強さが出てて(関西弁がどうであれ…)よかった。


そこで、
なぜ泣けたんだろう、と考えてみた。
心を動かされたのは、人と人との絆、つながりの強さを改めて思い知らされたからかもしれない。

小説では、ジョン・レノンの「イマジン」がキーワードになっている。
「差別なんてない世界を想像してごらん」と。
しかし、現実に、差別のない世界なんてない。戦争がなかった時代もない。
映画『トンマッコルへようこそ』は、幻のユートピアなのかもしれない。

でも、そこで生きていかなくてはいけないんだ。
それはそうだと思う。たとえば、自殺は逃げでしかないとも思う。

ただ、自分に守るべきものがあるのなら、切り離したくない絆があるなら、兄弟の、家族の縁を切るしかない、それも罪に対する償いの1つなのだ。
(兄との縁を切ることも、もしかしたら逃げかもしれないが。。)


自殺を考えたり、自暴自棄になるときって、たいてい
この世に自分をわかってくれるのは誰もいない、
とか、どうしようもない孤独感をかかえてしまう。

それこそ、想像力を働かせてみてほしい。
人は、1人では生きてはいけない、のだから。


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# by yopeiR | 2006-11-16 08:43 | 映画